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日常ひとコマ劇場③(L月)

思いつきは唐突。
なぜそう思ったのかさえ、僕には不可解。

「プールに行きましょう、月くん」

捜査本部の扉を開けた途端、開口一番にそういわれた。
しかも、『行きませんか?』の疑問系ですらなく。
『行きましょう』と断定口調で。

「ちょっとまって、竜崎。話がさっぱり見えないんだけど」

抗議すれば。

「暑いから水に入りたくなりまして。一人で行っても楽しくないので月くんを誘いました」

そういう説明が欲しいんじゃなくて。

「暑いって…ここは空調も効いてるし、第一、そんな人の集まるところに行っていいのか?」

正論、反論。
だと思う。

「私用プールがあるので問題ありませんし、たまには息抜きも必要です」

ああそうかい。

「けど、水着なんてないだろう?」
「ありますよ」

けろっと言われて。
こちらです、なんて案内された扉の前。
ぎぃと開かれた扉の先。

「どれでもお好きなものをどうぞ。サイズもSSからLLまで揃えてあります」

ずらっと部屋いっぱいに水着が陳列されていた。
もう、こうなると何処から突っ込んでいいのかわからなくなりそうだ。

「…竜崎」
「はい」
「この部屋、ゲストルームだったよな…?」
「はい。しかし此処(捜査本部)には不必要なので私の趣味の部屋にして見ました」

趣味の部屋、ねえ。
いいご身分だよ、全く。

「で、月くん。どれにしますか」
「…僕が行くことは決定なのか?」
「友達ですから」
「…そう」

こうなると、僕が折れるしかなさそうで。
仕方なく水着の物色を始めた。

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日常ひとコマ劇場~なぜならソレは夏だから~編
副タイトルはこんな感じで。
by yukine_akira | 2007-09-30 21:10 | デスノ


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