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日常ひとコマ劇場①(L+月)

「何をしているんですか?」
「見てわからないか?」
「わかりません。傘たてを眺めているようにしか見えません」
「そうだよ」
「なぜですか?」
「傘がなくなったんだよ。それで、この土砂降りの中どうやって帰ろうかと思っていたんだ」
「入りますか?」
「男二人で入ったら両方濡れるだろ」
「なら濡れていきましょうか」
「いくら夏でも風邪ひくぞ」
「冗談ですよ」
「琉河は帰らないのか?ワタリさん待ってるんじゃないのか?」
「夜神くんと一緒に帰りたいので」
「…そんなに僕の行動を観察していないと気がすまないのか?」
「そんなことはありません。気を悪くしないで下さい」
「じゃあなんでそこまで付きまとうんだ?」
「個人的趣味です」
「…そういうの日本でなんていうか知ってるか?」
「いえ。なんていうんですか?」
「ストーカー」
「失礼ですね。あんな変質的執愛者と一緒にしないで下さい」
「個人的趣味で他人に付きまとったら立派な変質者だろ!」
「そうですか?」
「そうだよ」
「じゃぁ、個人的興味のため、と言い直しておきます」
「大して変わってない」
「そうですか?」
「…もういい」
「私は良くありませんが」
「なんで」
「このまま雨がやまなければ夜神くんと一晩ここで過ごすことになります」
「嫌なら帰ればいいじゃないか」
「そんなトキメキ状態で帰れるほど紳士ではありません」
「は?トキメキ?っていうより琉河が紳士だった事なんかある?」
「私は常に紳士です」
「嘘付け」
「本当です。本当ならこんな話になる前に夜神くんに傘を貸して二人で帰るつもりでした」
「ふうん…で、琉河はどうするつもりだったの?一本の傘を僕に貸して、濡れて帰る予定だったの?」
「はい」
「それ、いろんな意味で駄目だと思う」
「何故です?」
「いま琉河が倒れたらだれが捜査を指揮するんだよ」
「大丈夫です。体は人より丈夫です」
「…説得力ないね」
「そうですか?」
「長い付き合いじゃないけど、琉河は不健康と大親友だと思ってた」
「それは私の血色が悪いからですか」
「多分ね」
「それは仕方ありません。生まれつきですから」
「生まれつきそんなに顔色悪かったの…?」
「はい。物心ついたときからすでに」
「……」
「なんですか。その哀れみを含んだ視線は」
「いや…別に」
「…まぁいいです。そのうち聞かせてもらいます」
「覚えてたらね」
「夜神くんは記憶力抜群ですから大丈夫だと確信しています」
「買い被りだと思うけど…あ。雨止んだ?」
「…みたいですね。音がしなくなりました」
「傘は諦めて帰るか…」
「そうですね。いま何時かわかりますか?」
「七時過ぎだけど、何で?」
「これから私の部屋へ来て頂けますか?見てもらいたい資料があります」
「ん、わかった」
「じゃぁ、行きましょうか」
「そうだな」
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下らない日常。
by yukine_akira | 2007-08-01 00:20 | デスノ


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